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自炊をするかもしれない。

料理はおいしいものを作ってもらって食べる側であった。献立考えるのも、作るのも、何もかも無理だ。疲れる。尋常じゃなく疲れるのだ。これには私の抱える広汎性発達障害の特性が関係しているのだろう。

 

少し前までは、目が悪いから料理ができないのだと言い訳していたのだが、全盲の方も料理ができるらしいので、その言い訳は完全に封じられた。やってこなかったからと、易疲労のせいである。

 

料理をすることには、まったく魅力を感じなかったし、高校生になって卵焼きを作っても上達しなかったどころか激甘卵焼きを錬成し、家族にフライパンを取り上げられて、冷凍食品をお弁当箱に詰める係になったくらいだ。まあ、要するに、メシマズなのである。

 

大学に入って一人暮らしをしても、まともな自炊はしなかった。したのは肉を焼くことと、お湯を沸かすことくらいかもしれない。ごはんは炊いた。豚肉の生姜焼きが作れないことを大学の同期の料理上手な男子に馬鹿にされたのは記憶にある。今は豚肉と生姜焼きのたれを買ってくれば作れる。

 

料理をするのが楽しいという人がいて、暇があったからパンをこねていたと知り合いに言われたことがあるが、あれは本当に理解できない。暇があったら本を読むか執筆するかアニメを観るかゲームをするかで、パンをこねようとか凝った料理を作ろうなんて気持ちにはならない。

 

私が料理したいなと思うのは年に一回。ああフルーチェ食べたいなと思ったときだ。それは料理じゃない。

 

そんな私は一人暮らしを再開したのだが、ベースフードのブレッドのチョコ味ばかりかじっている。調理不要でちょっと温めれば食べられるのがいい。ただまあそれだけというのもあれなので、まずは、月に一度でもいいので何か作るところから始めてみるかな……とか思っている。

 

節約しようと思ったらやはり自炊かなというところだったんだけど、下手な自炊より、食べるものを決めてルーティンにする方がいいのかなあ。相変わらず、作ることへの興味はわいてこない。

 

自分の料理、まずいんだよな。中学の家庭科の先生に「雁屋はもうスーパーでごはん買って生きるといいよ」と匙投げられているくらいなので、本当にまずい。家庭科については筆記試験で点数よかったから割といい評価貰っていたけど実技は最悪。

 

料理に時間と労力をかけてもそれに見合った味にならない。でも、節約には自炊が必要。いや、ベースフードだけで生きれば、自炊しなくても節約できるのではないか?

 

 

どうだろう、わからないが、気が向いたら何か作れるくらいの環境は作っておくかもしれない。